大学入試センター試験 国語 小説の選択肢の確率 度数分布からみる正解番号
2014(平成26)年の大学入試センター試験が今年もやってくる。
大学入試センター試験といえば選択式の問題なので、極力避けるべきだがどうしてもわからなければ当てずっぽうでマークすれば点がもらえる(国語であれば7, 8点のこともあり大きい)ことがあるわけだ。しかし当てずっぽうといってもそう簡単に選べるものでもない。そこで今回は当てずっぽうを使う際に、少しでもその確率を上げる方法について、統計的なものと解答を眺めて思ったことから考察する。但し今回は第2問 小説にだけ的を絞った。
なお、この記事によって生じた不利益・損害等は一切その責任を負わない。
ここからは、思ったよりも記事が長くなってしまったので、結論だけ気になる人はここをClickして結論まで飛びます。
その前にここで、今回の記事に出てくる言葉の定義と使用したデータを示しておく。
新課程とは2006年からの課程を指す(つまり国語I及びI・IIが統一され、現在の形式に)。
この期間は語句(問1)・読解(問2-5)・複数解答(問6、略して複答とする)の3つに分けた。
3つに分けた理由は、語句と読解では問題の作り方が違うだろうと考えたからだ。複答の部分は単純に選択肢の数が違うなどの形式上の違いがあるため、比較できないためだ。
2006年より前の旧課程は、1997年の旧々課程の直後までさかのぼった。
この期間は新課程と異なり、第6問が複答ではない年が中心である。
また、複答がある場合でも、選択肢が1-7の場合が多かった(新課程では1-6)。
「新課程本試験」とは、名前の通り新課程かつ本試験のものである。
「本試験」とは、新課程及び旧課程の国語I・IIの本試験のものである。
「本+追試験」とは、上記「本試験」のものに加え、旧課程国語I・IIの本試験、新課程並びに旧課程の国語I及び国語I・IIの追試験を用いた。
最後に、一部の年度については、手に入れることができなかったため統計に入っていないものもある。また、「本試験」と「本+追試験」の中には上記以外に1995, 1994年の本試験も用いた。
さてまずは何はともあれ集計結果のグラフを掲示しよう。
グラフが複数になるのが嫌だったので、あえて9種のデータを1つのグラフに載せてしまったため、見にくくなってしまった点はお詫びする。なお、複答問題のデータは入っていない。
全ての試験及び分類を合わせると(「本+追試験 語+読」薄紫)、確かに諸説言われているように2及び4が2割を超えている。しかし項目ごとに見ていくと、語句と読解のグラフでは結構な違いを示しており、必ずしも2及び4が有利とはいえなさそうだ。
まずは問1 語句についてみてみる。
全試験(「本+追試験 語句」薄桃)でみると、5が特出、2が普通以上、3が普通、4は少なく、1はわずか16%だった。本試験だけ(「本試験 語句」水)で見てみると、54123(23は同順)の順となって2が低いのが目立つ。新課程(「新課程本試験 語句」青)であれば、54312(54は同順)の順となり、これまた2が低い。
どうやら語句の場合は、いずれの場合においても5の可能性は高いようだ。また、本試験に限れば4も高く、2は最下位である。また、最近の本試験では1より3のほうが高くなってきているようだ。
よって、最近の傾向としては543がTOP3となるようだ。
但し一つ特筆することがある。新課程本試験で解答に1が登場している年が4年/8年ある。そしてこの4年全て、1は(1)の解答なのだ。つまり、1は(1)以外は低く、(1)は1の確率が非常に高いということだ。なので先ほどのを書き直すと、
(1)は1の可能性が高く、(2)(3)のTOP3は543ということになる。
次に問2-5(6) 読解についてみてみる。
読解といっても何種類かあるが、ここでそれについては気にしない。
全試験(「本+追試験 読解」薄緑)でみると、4が特出、2が21%、1がおよそ20%、3は少なく、5は16.5%であった。本試験だけ(「本試験 読解」橙)でみると、4が25%を超えて26%、1と2が20%、そして34と続く。新課程(「新課程本試験 読解」紅)でみると、1が何と3割超え、続いて42、5は15%、3に至っては10%を切っている。
読解では、全ての試験で見ると4が多いが、最近ではその勢いに陰りを見せてきているようだ。それに代わって1が恐ろしいほどの勢力を見せている。あとは2が安定した強さを見せている。35はいずれにおいても低い。
また、新課程本試験においては、2006-2013年の全てにおいて必ず1が1回以上使われている。4は6/8である。2が使われている年では2が2回使われている年度も多い。わずか8年のデータしかないが、3は3年おきごとに使われており、この周期の通りであれば2014年に3は使われないことになる。
よって最近の傾向としては、142がTOP3であろうか。ただ、「新課程本試験 読解」には異常ともいえるほどの偏り(特に1の高さと3の低さ)が気になるため、逆に今後は1が低くなり3が台頭してくる可能性も否めない偏り方ではあるため気を付ける必要があるかもしれない。
語句と読解を合わせたデータに関しては、おそらく問題の作り方が違うため、この考察にあまり意味はないと思うので飛ばす。というか語句と読解の平均みたいな結果に決まっているわけだ。
次に、新課程における問6 複答問題について考察しておこう。
このグラフを見ると、本+追試験でみれば、順に324516と、3を頂点とした山のような形になっている。しかし本試験と追試験では傾向が違うように見える。今回は本試験のみ考察しよう。
本試験の複答問題ではこれまで8年の間に何と一度も1と6が使われたことがない。これは驚くべきことだろう。一番多く使われているのは2で、34が同順で5が一番少ない。しかしこれらにあまり差はない。
複答問題に関しても、読解問題同様、標本数が少ないとはいえ、16が全く使われておらず、偏りが大きい。従来通りであれば2345のどれかを選ぶのが良いだろう。あえて2個選ぶとすれば、追試験の結果も考慮して23だろうか(2012年と2006年はこの組み合わせ)。
これに関しても、格差是正のために16が答えとなる可能性が否めなく、注意が必要だろう。
ちなみに、23が正答だったのは、新課程本試験で2年/8年であった。
最後に、全体的な分布の仕方について考察する。
複答問題については、番号の若い順に書いた場合とする。
新課程本試験においては、2つ以上同じのが連続したのは4年6回/8年であった。そのうち2007年では2が3回続いた。最新3年には連続箇所は見られなかった。新課程の追試験では、4年7回/8年で、こちらは最新3年のものにも連続箇所が見られた。
2012年は確かに国語全体を通してみても連続箇所はないが、2013年には2か所存在することや、連続箇所をわざわざ避けようとしてくるとは思いにくいので、2014年は最近3年間に連続箇所がないことから、小説内に1か所以上連続箇所が発生する可能性が高いかもしれない。
以上、簡単ではあったが第2問 小説について考察してみた。
2014年の小説について結論をまとめると、
問1 語句 では(1)のTOPは1、(2)(3)のTOP3は543である。
問2-5 読解 ではTOPは142である。
問6 複数解答問題 では2345の可能性が高く、あえて順位をつければ23である。
また、小説問題内に1か所ほど連続箇所が発生する可能性がある。
ということになった。
問題でどうしてもわからないときや時間が無くなってしまった時には、これを参考にしてみてはいかがだろうか。
但し、こんな考察は、所詮はわずかな分布の違いを見て判断しているだけなので、自分で考えてこれだろうと思ったらその答えを選ぶことをお勧めする。これを利用したところで当てずっぽうには変わりはないのだ。
最後に、この記事を参考にした結果、本番の試験で悪い点数を取ったからといって、筆者は責任を取らないので、信じるか信じないかはあなた次第である。
No comments yet.